この日は谷町七丁目を散策に来ました。


最寄り駅は地下鉄谷町線の谷町六丁目駅

そこから大通りを南方向に進んで行くと、
ほどなくして谷町七丁目、そして今回の目的地が見えてきました。



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『うわっ、でっかっ!』

『大きいでしょー、ここの御神木


「谷六でパンを買って散策する」と言ったら
ノコノコと着いて来た嫁のまーさん

御神木の大きさに驚きの声を上げる。


以前この辺りを一人で散策していた時に
御神木を見かけ、記憶に留めておいた場所です。



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道路のど真ん中に堂々と樹木がそびえ立っています。

こちらの御神木は「楠木大神」という樹齢500~600年ほどの巨大なです。

隣を通っていく車と比較しても、その大きさがよく分かりますよね。


ここはそれなりに交通量が多い道路なんですが、
車は全て御神木を避けてグニャリと曲がった道を通っていきます。



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車の動きを見計らって道路を渡り、近寄ってみる。

向かって右側に出入口があり、
四つの白い鳥居を潜ると祠に辿り着けるようです。

それにしても葉っぱがすごい。



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見上げてみるとこんな感じ。

もはやちょっとした森。


森林浴的な心理効果があるのか、
排気ガスがこもる道路の狭間だというのに空気が澄んでいる感じがします。



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鳥居を潜って祠の前へ。

地元の方が丁寧に管理しているらしく、周りも綺麗に整えられていました。

祠の中には
陶器製のような白蛇さんが2体ヒスイ色の蛇さんが1体。

かわいらしいご神体が並んでいました。

どうやらこちらも他の場所と同じように蛇を祀る御神木のようですね。

お供えはモミの葉、お花、盛り塩に加えて、うずらの卵、メガネなどがあります。




・・・メガネ?




『・・・なんでメガネがお供えされてるんだろう?』

『誰かの落とし物ちゃう?』

『ここでメガネを落とすの? ウォーリーかよ』
※人探し絵本に出てくるウォーリーさんは
 ページをめくる度に持ち物を落とすクセがあります。



落とし物説がほぼ濃厚だけど、
祀られている白蛇様の目が悪い可能性も捨てきれない。

横の盛り塩みたいに、
メガネの下にもお供えっぽい薄紙を敷かれてるし・・・。



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右側には賽銭箱があります。
ご挨拶に訪れたのでお金をチャリン。



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『・・・そういう所撮るの、好きやな』

『うん、なんか好き』


左側には管理するための掃除道具がありました。

こういう何の変哲もないけど
地元の方の息遣いが感じられる場所がなんとなく好きなので、よく写真に収めています。

さしみタマリと書かれた醤油ボトルが気になる・・・。
初めて見た。



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祠にはしっかりとした鈴緒(すずお)もあります。

よく見ると背後に石碑みたいなものが。
さっそく後ろへ回ってみる。



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達筆な文字が刻まれた石碑。

かろうじて「南無」とか「妙法」と読む事が出来ましたが全て解読するのは困難です。



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このように、石碑はほぼピッタリと祠にくっついています。

読めた部分から推測して、念仏が彫られているのかもしれません。



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御神木に近寄って見上げた状態の写真。

注連縄がかなり古く、樹木との同化が始まっているように見えます。

中央に開いているウロ(穴ぼこ)が深くてすごい。

ウロの中も撮ろうと思いましたが、虫がいたらイヤなので避けました。
※私は虫が苦手です。



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祠と御神木を背後から撮影。

さすがは樹齢500~600年、幹の太さが逞しい。



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少し離れたところから。

御神木の葉の緑色の濃さが美しいですね。

まだまだ現役、これからもこの地域を見守ってくれる事でしょう。



ちなみにまーさんは後ろの歩道脇でパンの袋を開封しています。

開封しているのは私のパンです。

一口だけかじるつもりのようです。

コイツは悪いヤツです。




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道路の反対側に回って御神木を撮影。

こちらから見ると御神木の大きさがよく分かります。


地元の方らしきお爺ちゃんが御参りに来ました。



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幹は横へ横へと伸び、
自重で折れそうになったのか添え木で支えられています。

周囲はご覧の通り、大きなマンションに囲まれています。

なぜこんな場所にと思って調べてみたところ、



この地には昔「本照寺(ほんしょうじ)」という寺があった。

その寺の境内にあった御神木こそがこの楠木である。

戦時中に道路の拡張工事が始まり
楠木を伐採する計画などもあったが、

「白蛇が祀られている神聖な木であり地元民が反対した」

「工事関係者に不思議な事故が起きた」

など諸々の事情があり、楠木は伐採を免れこの地に残される事となった。



という事らしいです。

不思議な場所にある御神木の伝承としてよく出てくる、怪談話の類も残っているようですね。

祠の後ろにあった石碑はお寺があった時のものかもしれません。



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様々な状況が重なって現代にも残される事となった「楠木大神」

これからも残り続け、いつまでもこの地域を見守っていてくれる事を心から願います。



ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました。

※この記事の写真は2017年10月に撮影したものです。


【楠木大神(くすのき おおかみ)】