この日は北区にある

「天満橋駅」の周辺を散策。


駅を出て西側の路地とかを

ニョロニョロと歩いていました。



0918_01

大きな建物前の植え込みの中にある

なんか薄っぺらいこの看板


最初は何とも思わずに通り過ぎたけど

一緒に歩いていた嫁のまーさん

引き止められた。



『今の何かの跡地って書いてあったで』

『え? どこに?』

『そこの看板』

『跡地……なんだろう?』



気になったので、引き返して

看板を確認してみることに。



0918_02

建物の避難経路とか

非常口についての案内かと思ったら

本当に史跡の説明板だった。



「豊臣氏 大坂城内 武家屋敷跡」

と書いてある。



『ほらー! ほらぁー!!』

『・・・・・・』

『ウチがおらんかったら
 見逃すところやったやろ?』

『そうだね』


『……もっと感謝して』

『えらいぞ。後でチャオちゅ~るあげよう』

『ウチは犬か何かかっ!』

『グウゥ~ッ……!
 二度と見つけたらへんからなっ!!』



ばかめ。

チャオちゅ~るは猫のおやつだ。



0918_03

看板をアップで撮影。

にわか雨が降った後だったので

水滴が浮いていて、少し読みにくい……。


詳しいことは写真をご覧くだだくとして

内容を簡単にまとめると、



この辺りは、桃山時代(16世紀)

豊臣秀吉大坂城を築いた際の

「惣構」の内側に位置しており、
※(そうがまえ)

大名の屋敷があったと推測されていた。


1987年8月~11月の発掘調査によって

屋敷の遺構が発見されたため、

地上に移設し、現在の建物の一部として

保存活用することにした。



「惣構」とは

城の外壁に当たる部分のこと。


その惣構の内側、大坂城の域内に

豊臣秀吉に仕えた有力大名の屋敷が

建てられていたと推測されていたので、


実際に発掘してみたら

屋敷の痕跡が出てきたというお話ですね。



0918_04

看板右下の

「大阪城域図」と書かれた絵図。


緑線の部分が外郭

つまり「惣構」のこと。



徳川時代(江戸時代)の

大坂城の外郭は

現代とほぼ同じような大きさだけど


豊臣時代(桃山時代)の

大坂城の外郭は緑の点線部分。

徳川時代と比べて4倍くらいの面積を

有していたことがうかがえる。



……中央区ってほじくり返したら

色々な遺構が出てくるんじゃないの?



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看板左下の

「出土遺構配置図」と書かれた絵図。


絵図の下側、緑色に描かれた

石の群れ

移設された遺構ということらしい。



絵図をよく見ると

井戸の遺構とかが結構あったみたいだけど

全部埋めちゃったのかな?



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こちらが移設された遺構。


石畳のような石たちと、

武家屋敷の柱の基礎跡と思われる

丸いくぼみのある四角い石が

設置されていた。



先ほどの説明版によると、

一緒に発掘された鬼瓦

桔梗の家紋が使われていたため
※(ききょう)


武家屋敷の主は、有名な戦国大名の

「加藤 清正」
※(かとう きよまさ)

その関係者のものとされているそうだ。



「加藤清正」と言えば築城の名手

九州にあるあの熊本城を築いたのが

他でもない、清正さんです。



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柱の基礎っぽい跡。




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反対側から撮影。


「加藤清正」さんのものだと思われる

こちらの武家屋敷は、

元和元年(1615年)に起きた

「大坂夏の陣」大坂城と共に

焼失してしまったとのこと。



有名な戦国武将の

屋敷跡かもしれないんだから、

全体を復元したら観光資源になりそう

とか思ってしまうけど、


この辺りは大阪屈指のビジネス街。

しかも発掘時は

高度成長期の時代ということもあり、

諸々の事情で難しかったんでしょうね……。



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ちなみに武家屋敷跡の上に

建設された建物は

「エル・おおさか(府立労働センター)」


貸し会議室や各種講義イベントが

行われている施設とのこと。

府立だから府の力が働いてると思う。



ちなみに発掘調査によって

発見された出土品などが

ここのロビーに展示されているそうです。


訪れたのが開館前の早い時間だったため

見ることが出来ませんでした……。


機会があれば改めて訪れてみよう。



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「エル・おおさか(南館)」の全体像。

遠目から遺構を見ると

和風の植え込みにしか見えないので

もう少しアピールしてほしい。



あっ、そうだ。

武家屋敷の遺構があるのは

土佐堀沿いにある「本館」ではなく、

「南館」側なのでご注意を。



0918_01

ビジネス街の一角に

ひっそりと移設されている

「豊臣氏 大坂城内 武家屋敷跡」の遺構



大阪城に関係する

貴重な遺構だと思いますので

ぜひ訪れてみてください。


※この記事の写真は2018年7月に撮影したものです。


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【豊臣氏 大坂城内 武家屋敷跡】



最寄り駅は
京阪線・天満橋駅
地下鉄・天満橋駅