この日は大阪市北区の天満にある
※(天満=てんま)
「造幣局」を訪れました。
読み方は「ぞうへい きょく」。
「造幣局」とは読んで字のごとく
「貨幣を造る機関」。
日本硬貨を作っている場所です。
他にも勲章や褒章、
オリンピックのメダルなども
ここで作っています。
こちらが「造幣局」の正門。
目の前に見える学校のような建物が
造幣局の本局。
皆大好きなお金ちゃんは
ここの工場で生まれています。
門の受付で名前などを書いて
造幣局の敷地内へ。
今回は本局の工場見学ではなく、
「造幣博物館」に向かいます。
『博物館はどこだ?』
『人いっぱいおるから
あっちにあるんちゃうかな?』
一緒に来た嫁のまーさんが
あっちというので
あっちに行くことにした。
門で受付をすると
入場証? となる小さなバッジを
受け取った。
「五七桐紋」が描かれている。
豊臣秀吉の家紋として有名だけど
現在の日本政府も使っている桐紋。
造幣博物館の標識があった。
訪れたのが4月だったので
桜が綺麗に咲いている。
博物館へと続く道。
造幣局は「桜の通り抜け」として
知られる桜の景勝地で
地元大阪を始め、地方や海外からも
美しい桜を見物する人々が集まってくる。
どちらかと言うと
この「桜の通り抜け」の方が有名で
造幣局=桜の場所
みたいなイメージの人も多いかと思う。
違うぞ。
桜じゃなくお金だ。
ここはお金の場所だ。
みんなが「桜綺麗だなー」と
思っている裏で、職員の人達は
「お主もワルよのぅ」とか言いながら
日夜お金を数えているのだ。
というのは冗談で、
職員の方々は一生懸命働いています。
こちらは敷地内にあった
「通り抜けの由来」という石碑。
明治16年に
当時の造幣局長「遠藤 謹助」さんが
※(えんどう きんすけ)
「局員だけでなく、大阪市民の皆さんにも
桜を楽しんでもらいたい」
という発案をした事から
この「桜の通り抜け」が始まったそうだ。
詳しくは写真を見てね。
造幣局の建物に沿って歩いていく。
本当に桜が綺麗だ。
「桜の通り抜け」が開催される期間中は
混雑回避のために
見学ルートを一方通行にしている。
だから「通り抜け」。
『通り抜けの時期じゃなかったら
結構ゆっくり見学できるんだねー』
『ホンマやね。
時期外したほうがええやん』
『でも出店が出てないから
お祭り気分を味わえないよ』
『あー・・・そうやね。
そういうのもあるのか』
まーさんとだらだら話しながら
造幣局の桜をじっくり眺める。
早く博物館に行けよ。
話が進まないだろ。
敷地内の門の前にあった案内板。
詳しくは写真をどうぞ。
造幣局は何かと歴史のある建物で
管理もしっかり行われているため、
様々な造形物が残っている。
こちらが案内板に書いてあった
「欽明門」と「鉄柵」。
※(きんめいもん)「欽明門」は明治天皇が
造幣局を視察された時にあったもの。
「鉄柵」は動物園のために
輸入された柵を譲り受けたもの。
どちらも明治時代の遺物。
造幣局創業当時の正門。
八角形の面白い形をした建物だ。
その建物の向かいにある
創業当時の「ガス燈」。
明治4年に設置された古い物だけど
まだ現役だそうで
夕方になると職員の方が
火を灯しに来るんだとか。
すごいな造幣局。
造幣局を囲む庭には
写真のように沢山の石碑が並んでいる。
造幣博物館の入口は
もう少し奥にあるらしい。
『博物館まで結構歩くんだね。
色々あって楽しいけど』
『そうやね』
『それよりそこの門の先にある
鉄の水車みたいなのなんやろ?』
『アレは明治時代のドラム式洗濯乾燥機』
『天気の良い日はアレで硬貨を洗って
一枚一枚並べて乾かすんだよ』
『・・・ふーん』
『信じた?』
『誰が信じるか!』
何なのかは分からない。
もしかしたら侵入者をボコボコにする
武器かもしれない。
武器かもしれない。
ようやく「造幣博物館」に到着。
訪問する人が多い
「桜の通り抜け」開催中は
工場ともども博物館も休館している。
なので
博物館の外観を知っていても
中を見学したことがある人は
意外と少ないようだ。
こちらが博物館の入口。
入館料は無料。
本局の工場見学が
月曜~金曜の平日のみなので
こちらも同じだと思っていたら
博物館は通年開館しているらしい。
入館する総人数を
ある程度決めているらしく、
誰かが出てきたら次の人が入れる。
という仕組みなので、しばし順番待ち。
入ってすぐの所に設置されていた
「二十円金貨」の巨大なオブジェ。
『これすごくレアな金貨だよ』
『へー、そうなんや。
まあ金貨ならそうやろな』
『テレビの鑑定団で確か
500万か600万になったはず』
『ひゃーっ! すんげぇーっ!』
まーさんが興奮して
ドラゴンボールの孫悟空みたいな
感想を漏らした。
博物館のフロア案内。
建物は3階建てで
1階はインフォメーション。
2階からが展示フロアとなっていて
順路を通って3階まで続く、
という構成になっている。
1階入口前。
窓際にジオラマが置かれていた。
創業当時の造幣局模型。
とても精巧に作られている。
先ほど敷地内で見てきた
八角形の正門やガス燈などが
当時の位置にある。
2階へ上がる階段の前に
大きな時計が置かれていた。
右側から職員さんが急に出てきて
まーさんがめちゃくちゃ
ビクッてなってた。
明治時代、
当時の工場に取り付けられていた時計。
定時がくると鐘が鳴ったらしい。
2階へ到着。
子連れだったのでベビーカーを担いで
階段を上がろうとしていたら
職員の方が
エレベータに案内してくれた。
ありがとうございます。
巨大な日本硬貨たち。
工場がある博物館の展示らしく
製造過程の枠組みがある状態。
なんか面白い。
ライトアップされた壁案内があり
いよいよ展示ルームへ。
『この博物館って元々
火力発電所やったんやね』
『そうみたいだね』
『下のキャラなんやろ?』
『お金マンとお金ちゃんだよ』
『え? そうなん?』
『うん。
硬貨に顔ついてるでしょ?』
『安易な名前やな・・・』
適当に言ったので今調べてみたら
「コインくん」と「さくらちゃん」
という名前だった。
安易な名前だな・・・。
まず出てきたのは
造幣局の誕生に貢献した人物のレリーフ。
伊藤博文やトーマス・グラバーなど
幕末~明治の動乱で
歴史に名を刻んだ人物が紹介されている。
カーブを描く壁に書かれた
造幣局誕生の歴史。
決定的な理由は不明だが
とにかく造幣局が誕生したらしい。
詳しくは写真をご覧ください。
薄暗い展示ルーム。
グネグネと曲がる順路を進む。
すぐ左側の一角に
創業当時の様子を紹介する
映像シアターがあった。
だから薄暗かったのか。
『全然お金ないやん・・・』
『3階にあるのかもね』
カツアゲしておいて文句を言う
チンピラみたいな事をつぶやく
まーさんをなだめる。
加納夏雄という金属細工師の方が
※(かのう なつお)
試作を手掛けた貨幣の展示。
当時の政府から
貨幣の原型作りを依頼されて試作した所、
あまりの出来の良さに
海外から雇った技師が驚愕したそうだ。
先ほど博物館の入口に設置されていた
「二十円金貨」のデザインも
加納夏雄さんが手掛けた作品。
「十円金貨」や「一円銀貨」にも
加納さんのデザインが使われている。
明治9年に製作された天秤。
製造された金貨の重さなどを
計測するのに使っていたもの。
硬貨の製造に携わった偉人の紹介や
当時の様子を記録した帳簿なども
展示されている。
こちらは現代の500円硬貨の原版。
図案を元に
4~6倍の大きさの原版を作り、
それを「縮彫機」というもので縮小。
※(しゅくちょうき)
その縮小された500円玉が
あなたのお財布に入っているモノです。
「縮彫機」の説明。
貨幣の量産に欠かせない機械だと
説明している。
説明している。
詳しくは写真を読んでね。
ほかにも
硬貨の製造に関わってきた
様々な器具が並んでいる。
当時が誇る技術の粋が
全て集まっているという感じ。
この博物館、本当に無料でいいの?
大正14年(1925年)に
購入されたという「縮彫機」。
100円硬貨の原版が
型にはまっているので
機械の精密さがより身近に感じられる。
自分の財布から100円を取り出して
見比べている見学者もいた。
・・・なるほど。
『まーさん、100円持ってる?』
『原版と見比べてみたいんだけど』
『んー? あったかな?
ちょっと待ってな・・・』
『あったわ。はい』
『ありがとう~』
原版を一通り眺めながら
まーさんから借りた100円を
まーさんから借りた100円を
こっそりとポケットにしまう。
100円ゲット!!
機材展示コーナーを通り過ぎると
次はコインの製造過程の流れと
硬貨以外の製造品の展示。
向かって右側のコーナーが製造品展示。
オリンピックのメダルや
国民栄誉賞の盾、
勲章や褒章などが並んでいる。
撮影禁止のマークがあったので
こちらは写真無し。
というわけで
コイン製造過程のコーナーへ。
硬貨というのは
圧縁(フチをつける)
→焼鈍(あたためる)
→洗浄(洗う)
→圧印・検査(模様をつけて検査)
→計数・封緘(数えて袋に詰める)
で完成です。
・・・分かりましたね。
こんなのが。
こんな風になる。
500円玉がいっぱい!
なんか嬉しい気持ちになるね!
・・・この過程のコーナーは
少し子ども向けに作ってあるようで
説明が大雑把な感じでした。
本格的な製造過程は
おそらく本局・工場見学の方で
詳しく見られると思います。
その先は体験コーナー。
これまでの展示品は
手で触れることはNGでしたが
ここからの展示は触れてOK。
テーブルの上に並んでいる袋達は
現在使用されている硬貨を
袋詰めにしてみたというサンプル。
100円玉4000枚入り(40万円分)。
重さは19.2kg。
持ってみると凄く重かった。
でも硬貨がジャラジャラと入った布を
持ち上げる感触はなかなか面白い。
造幣局ならではの体験が楽しめる。
千両箱のサンプルもあった。
慶長小判を1000枚収納できる。
その時の重さは約20kg。
『この千両箱めっちゃ重い!
ちょっと持ってみて』
『どれどれ・・・』
『んおぉッ!! 重っ!』
硬貨の詰まった布よりも重く感じた。
あまりの重さに
オナラが出そうになった。
まーさんめ!
こちらは本物の金塊と銀塊に
触れられるコーナー。
丸い穴に手を突っ込んで
金塊と銀塊を触ることができる。
近くに職員さんを配置しなくて
大丈夫なんだろうか?
触ってみたら
銀塊はヒンヤリしていて
金塊はちょっと温かかった。
直前にまーさんが
ペタペタと触っていたので
ヤツが残したぬくもりかもしれない。
他にも記念スタンプコーナーや
コイン選別機などがあった。
コイン選別機は
硬貨を入れると重さに応じて
落下地点が変わり、
その落下場所を仕分けることで
選別ができるという機械。
みんな自分の財布から
お金を取り出して機能を試していた。
もちろんお金は回収可能。
というところで
2階の展示コーナーは終わり。
3階までやってきましたが
長くなってきたので
この続きはまた次回にでも・・・。
※この記事の写真は2018年4月に撮影したものです。
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※最寄りと書きましたが結構歩きます。ご注意ください。
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